空想少年通信

素人物書きのつれづれブログ。

2010-12-12から1日間の記事一覧

メリークリスマス

季節になったのでクリスマスツリーを飾った。お菓子やプレゼントを用意した。どなたさまも遊びに来てください。小さな看板を立てた。そんなことがなんの意味もない事くらいわかっていた。嘘をついて人を呼んでもいつかは離れていく。ただ君に帰ってきてほし…

タイムリープ

「その時まで覚えていてね」未来へと帰る君は言うけれど、その時にはきっと声もかけられないだろう。僕はその時までの年数ぶん、年を取る。君はいつまでもそのままなんだよ。どうやってギャップを埋められるというのだろう。そのことを君がわからないわけが…

自己アピール

クラスメートがぶっ倒れた。生徒会の選挙に立候補させられて慣れない自己アピールを続けたからだった。「まったく、無理しちゃって」ため息をつきつつ先生が保健室へ運ぶ。みんな同じことを思ってはいたが口に出来なかった。その、無理をさせているのはどこ…

君は知らない

どうしてもどうしてもどうしてもそうしたかったので、真夜中、眠っている君にそっとキスをした。朝。「なぁ、なんか変なことがあったような気がするんだけどしらない?」「なにが?」「誰かにチューされたような」「知るかよ」うん。知らない。僕が君をどう…

本2

マーケットプレイスで本を買った。送られてきた中に見憶えのある字で「久しぶり。面白いといいなあ。また感想聞かせてね」という手紙があった。送り主を確認すると高校の同級生だった。会わなくなってだいぶ経つのにまだ好きな物が一緒ということが嬉しかっ…

本1

さて。と店長は深呼吸する。お前ら、ちゃんと教えたとおりの場所におさまるんだぞ。店長はモップを高くあげると「各自持ち場へ! お客さんがみんなを待っているぞ!」声をかけた途端、今日入荷の本が一斉に棚に向かって飛んでいった。「あとは俺に任せろ」今…

Quest2

朝、起こしてもちっとも起きないので「おお、勇者タカシよ。死んでしまうとはなにごとだ」と言ったけどピクリともしない。「返事がない。ただのしかばねのようだ」と続けると「うーるーさーいーうーえーにー使い方が違うー」と動きだした。いいかげんにしな…

別れの情景4

僕たちの恋は内緒だから、混んだ駅の中、微妙にくっついて手もふれるかふれないか。別々の電車に乗る直前、一度だけぎゅっと手を握ってなにも言わずに「また明日」後でメールするね。ずっと好きでいてね。するりと手が離れていく。それはたぶんスローモーシ…

ファーストデイト

初めてデートに誘って、お気に入りの喫茶店に入ったばかりなのに君はもう帰りたそうにしている。僕といてもつまんないのかな。どうしよう。誘わないほうがよかったのかな。これからのプラン、全部なしにしたほうがいいのかな。僕は君の顔を見ることができな…

別れの情景3

どちらからともなく別れ話がでて、そのまま二人は無口になった。人混みの中、互いの場所も確認することもなく、いつのまにか離ればなれになった。一瞬探したがすぐにやめた。その必要はなくなったのだ。始まりがそうだったように終わりもまた、無意識の出来…

けいとだま(take-2)

マフラーを編んだ。恥ずかしかったから夜中がんばった。こんな暗号みたいなのを解読できるなんて女子はすごいと思う。正体を隠してあいつに渡した。ものすごい喜んでいた。ばれたら嫌われるだろうか。ある日、この前のお礼と包みを渡された。欲しかったコー…

僕の人生は僕が決める

休日くらいゆっくりしたいと親がいうので家のことを一通りやってから学校で必要なものを買い出しに出た。たぶん親は僕が何をしているか知らない。どの学校に行きたいかとか、早く独立したいとか。売りやってることも。自分の人生は自分でなんとかしろと言う…

Quest

「俺、世界を救いたいんだよね」ガードレールで綱渡りしながら君は言う。ガキじゃあるまいし。「とりあえずお前は死ぬな」なんでまた(それを知ってる)。「いつか世界の半分をお前にやるからさ」別にいらないよ。僕勇者じゃないし「俺を一人にするな」素直…

めんどくさいふたり

あいつがあまりにも僕を信用してないから君らを誘うのをやめにしたんだ。どこか行きたいところがあるなら二人で行けばいい。自分たちの都合のいいときだけ声をかけて、こちらが声をかけたときに邪推されると苛立たしいだけなんだ