空想少年通信

素人物書きのつれづれブログ。

はんぶんこ

ヘッドフォンを耳に突っ込んで音量をあげて
人が沢山いても気にならないようにして
どうせ誰も近寄りはしないのだし
少し音が漏れても平気だろうから
教室のすみで机に突っ伏したまま 音楽を頭に流し込む
 
こうでもしないと いつかダメになりそうで
嘘 本当は現実から逃げてるだけ わかってるけど
こんなところでぐしゃぐしゃしてても
くだらない うらみごとしか思いつかないから
そんなの自分でもどうかと思うし
 
四つ打ちのバスドラ
ディストーションのムダに聴いた轟音
こんなんでも慣れてきたら眠れるようになるんだろうか
 
左耳の音がなくなって
現実に引き戻されたような
誰かの頭が近づいてきて
なに聴いてるの? 声が聞こえる
あり得ないくらいにくっついてきた頭から
ああ、これ 俺も好きなんだよね
そういうと器用に鼻歌
 
新しいの買った?
そう聴かれて まだだけど、週末買いに行くつもり
そう答えたら あ、俺も 一緒に行ってもいい?
どうこたえたらいいのでしょう
 
誰かが気づいてなにか騒ぎ立てている
三分の二は僕に(たぶん非難ゴーゴー)
三分の一は君に(物好き呼ばわりされてちょっとかわいそう)
君の「いいじゃん、俺も好きな音楽聴いてんだから半分借りたって」
その声に力が抜けそうだった