空想少年通信

素人物書きのつれづれブログ。

(無題)

修学旅行の夜フェリーの狭い船室で水揚げされた魚のような状態で男子が寝ていた。うっかり出遅れてしまった僕は途方に暮れていた。
こっちこっち、と声が聞こえて、それは入り口の近くにいた君で、ただでさえ狭いスペースに僕の場所を無理やり空けてくれたのだった。
 
床一面に埋まる男子に軽くブーイングをくらいながらなんとかそこまで移動して大阪のオバチャン宜しく体をねじ込んだ。
すぐ隣が僕の嫌いな奴だったのでそいつを背中にすると必然的に君と向かい合うような体制になったのだった。
なるべく目を合わせないようにした。
君が笑った。