空想少年通信

素人物書きのつれづれブログ。

すべては夢のまま、またいつかここに戻ってくる

すべては夢のまま、またいつかここに戻ってくる
あの時なにが起こったのか
自分が何をして誰とどんなことを話していたのか
すべては曖昧なまま 不安定な時間がぐるりとすぎてゆき
せまっ苦しい空間にいたはずが
気がつくとがらんどうの広場の中にひとり残される
ああ、あれは夢だったんだね
ああ、あれは嘘だったんだ
そうに違いないと自分に言い聞かせるように立ち上がり
ひざについたゴミを払い落とすと
ばらばらになったカバンの中身を拾い集め
乱されてしまったシャツを無理やり調えて
重い体を肩から引きずるようにして歩き出すのだ
そしていつか今みたいなことがあったことを忘れて
性懲りもなく戻ってくる
できもしない笑顔とできもしない会話を求めて
いっときのあいだ夢だけ見られればいいのだと
ありもしない希望を求めてここへ