空想少年通信

素人物書きのつれづれブログ。

文フリで買った本を読んだ

文フリで買ったのでも、市販のでも書き物をしているときにいろいろ読んじゃうとうっかりそれを覚えてて(無意識でも)、そのフレーズを使ったりするのが怖いのでなかなか読み進まなかったりするのです、という言い訳から。

で、読み終わったものの感想とか。

  • 「ニーバー、アイ ヘイト ユウ。」
    栗山真太朗さん、山本清風さん共著。12月に読んだ。
    「すげえ。共著なのに言われなきゃ途中までわかんない(俺が鈍いだけ)。最後まで一気に読めるし、だんだん強くなるどーなっちゃうの感といったら。こんなの読んだら俺、もう自分では書かなくていいです(笑) 読むだけに徹したい。」
    ……ってツイートしてた。二つの話が交差するのだけれど、交わるのは本当に最後の最後。探偵やさんは最後まで素っとぼけたままだし、少年は最後まで深刻なままだし。どうしようもない結末しかないのに、なぜか希望が見えるんだ。なんでだ。パンドラの箱でもしかけてあるのか。
    あと、これ、角川あたりからしれっと出ててもいいくらいなんじゃないかなぁ。そのくらいにまとまっている気がした。
  • 「ちょっぴりエッチでかな〜りおバカな日本最長路線バス旅行記」
    そよ風文芸食堂。手製本。
    昔から旅行記って市販の本よりも手製本のしおりっぽいもののほうが面白いと思っていて、これもそのとおり面白かったりする。湯浅さんの語り口調がコミカルで親しみを持てる。BE-PALとかあのあたりが好きならこれも好きなんじゃないか。
    本編はがっつり旅行記。はしょったりすることなく、むしろ脱線しまくっているけれども、長く感じないからいい。僕のように旅行に行きたいけれど行けない、という人間にはこれで追体験したらいいんじゃないかな。補足と言うか資料もたくさんあって、それを見るだけでも価値があるんじゃないかなぁ。
    全然本編とは関係ないけど、そよ文さんの本って、昔本屋にいた頃、バスマニアの本を委託で売ってた頃があるんだけど、あの時と同じ感じがするんだよね。 「すきなんです!」っていう気持ちが濃縮還元100%みたいな感じで、でもご新規さんも好きになってくれると友達が増えるからうれしいなぁっていう、そん な気持ちが伝わってくると言うか。ご本人はちょっと違うと言うかもしれませんけれども。
  • 「浮遊人
    竹内鮭鱒(たけうちさーもん、ってアルファベット表記がある)さん。ハードカバーの表紙だけ、手で製本したんじゃなかったっけかな。いくつかある表紙の中から選べた。
    幻想小説とある。読んでいて、頭の中で映画のように映像変換しつつ楽しむというよりは、言葉をそのままイメージとして咀嚼するほうがいいんじゃないかな。ふわりふわりとした話が続き、気がつくとうっすらと熱を帯びていた、みたいな感じで読み終わった。吉本ばななとかそんな感じなのかなあ。
    それと、読んでいくうちに頭の中をマングローブの根っこが張り巡らされて、ぎちぎちになると思ったらつぎのシーンに行ってまた最初から根っこが生えてくるような感じがした。

人に読んでもらおうと言うのはどの本も同じで、熱量と近寄りかたの違いで手が伸びるかのびないかが出てきてしまうのだけれども、今回感想を書いたのはどれも「読んで*1」って言っているようでした。

 

*1:待って♡みたいなノリで書いているように見えるかもしれないが、そんなことはないと思う