空想少年通信

素人物書きのつれづれブログ。

手を

写真を撮るときは二人
いつも手をつないで
男の子なのにって笑われる
けど
 
そうしないと
君がどこかに行ってしまいそうで
他のなにより君を
なくすことが嫌だった僕は
大きくなってもやめたりしなかった
 
他の誰かが君を
君がここにいたことを
忘れてしまったとしても僕は
僕だけは
おぼえていないといけなかった
 
それが僕にできる
僕が君にできる
たったひとつの償いだった
 
今でもなぜあの手を離してしまったのか
もしそうしなければ君は
僕とまだいてくれたのか
わからない
 
あの時君が言いかけた言葉を遮らなければ
君をひとりにしなければ
 
今となってはもう仮定でしかないのだけれど
 
最後に撮った
二人で撮ったあの写真を
君は本当に最後まで大切にしていたと聞いて僕は