空想少年通信

素人物書きのつれづれブログ。

「わたし、ドッペルゲンガー」を読んだ。

城島はむさんの本。bnkrでも書いていらっしゃってます。んで、先日、第二回京都アニメーション大賞の小説部門で奨励賞を受賞なさっています。今作は三年前の文学フリマで出したものの再版。
最初に文フリにいった時に(たぶん)、見本紙コーナーで見つけて、ダッシュで買いに行って以来、わりと勝手に好き好きいってて、ご本人はたぶん迷惑してるんじゃないかと思う(汗)。でもね。なんか自分の中では「こ れ だ !」みたいなものがあったので。
で、えーと、本題。
スプラッシュマウンテンってありますよね、ディズニーランドの。あれに乗っているような感じだった。どうなるんだろう、どうなるんだろう、って思ってゆるゆると読んでいくと気がつくとなんか目の前に滝のような音がしてて、スピードが上がっていって。うわ、って思った瞬間に暗転、エンディングへ、みたいな感じ。三冊しか読んでいないが、これがいちばん起伏があったような気がする。他のはもっと、最初から張りつめてるとかそんな感じの。文体はとても優しい感じなので*1おとぎ話を読んでいるような感じにも受け取れる。世間の人が思うラノベ的なものとはちょっと違うのかも知れん。あんまりラノベ読んだことないからわかんないけど。
ときどき見え隠れする、あ、今の、ちょっと怖い、って思うあれはなんだろうなぁと思うけど、おとぎ話はきっとそんなものなんだろう。優しい、とだけ思って近づきすぎるとケガをするのかもしれない。いや、適当なこといってますけど。
以下自分語り。
思春期ってそうでなくても「これは本当の俺じゃないんだ」みたいなところが往々にしてあるわけですが、別にそんなこと誰も気にしちゃいねぇよっていう感情と、もしここにいるのが本当の自分だったら*2、みんなはもうちょっと自分のことを愛してくれるだろうかとか、本当にそうだったらもうちょっとうまくやれるんだけどなぁ、みたいなのがないまぜになってぐるんぐるんしてわけがわからなくなる……よね? 今はもうそんなこと言ってられないし、TPOによって顔を使い分ける大人っていうので生きていられるけれど、思春期だと。ねぇ。なんで? なんで? なんで? みたいなのになりかねない。きっとだから、これはとても正しい悩みと言うか、成長過程なのかもしれず。と思ったわけです。全然まとまらないな。だめすぎる。
でもまぁ、あれですよ。君が、自分が、思っているよりも自分はそんなに難しくはないと思うんだ。うん。それに早く気がつくか、気がつかないフリをしていろいろこじらせちゃうかの差はあるかもしれないけれど。

*1:自分のと比べるのもどうかとは思うのだが、自分の書くものはとにかく突き放したようなのが多いので、だから、逆のものを読んで「いいなぁ」と思うのかもしれませんが。

*2:今ここにいる自分じゃなくて、ですよ