空想少年通信

素人物書きのつれづれブログ。

自分に出来ること

先日の文学フリマはほとんどなにも出来ないまま当日が来てしまったのだが、唯一、「文学フリマ非公式ガイドブック」に紹介文を寄稿させていただいた。

こういうものは本来自分の意思で参加するものなので「させていただいた」も何もないのだが、このほんの趣旨から言って書いたものがそのまま載るわけではなさそうだったので。この手の本は載せないんじゃないだろうか、もし載らなかったら「紹介させてください」とメッセージを送った、本を書いたかたがたに申し訳ないなというところもあったのだが、幸いにして紹介文を書いた二冊とも掲載されたので、自分のささやかな挑戦も達成されたような気分。

実際、掲載されているのは自分がある程度想定していた「誰かが紹介するであろう、大きめのサークルまたは個人」が多かったので、自分の紹介したかった本はほんのちょっとだけ違う色を持ってそこにあるような感じだった。でもそうしたかった。自分の好きなものを誰かに言いたかったのだ。ブログじゃなくて。Twitterでなくて。ガイドブックという大それたもので。

本を書いた方々はどのように感じたかわからない。吃驚したかもしれない。とまどったかもしれない(少なくとも僕は僕が書いたあんな稚拙な文章を載せちゃっていいんですかとは思ったけど)。それでも、僕がいいと感じたあの本を、誰かがあの拙い文章を読んで読んでみたいと思ってもらえたら、あれを見て文学フリマのあの場所でそれぞれのサークルまで足を運んでもらえたら、それは僕の勝ちなのだろうと思ったのだった。

そしてあらためて紹介した本を読み返す。紹介されていた本を書いた方々の文章を読む。自分の才能がないことを実感する。ここのところないくらいに自分が物書きをしないほうがいいのではないかという考えが頭を支配する。だけど、一生かかってでも物書きを続けようと決めた、そうすることで自分を保てるのだと信じた自分に対しての責任を果たさなくてはいけないのだ。大げさかもしれないが、これは自分の自分なりの責任のとりかたのひとつだったのだ。