前回に引き続き、文学フリマで入手した本の感想。
- 「今夜、月の中へ」吉田岡
自分が「こういうラストかな」と思っていたのとは違う、むしろ思っても見なかった展開でびっくりする。最初本気で意味がわからなくて、何度か読み返してしまった。主に自分の理解力の問題で。
正直にいうと、まだラストが理解できないでいる。もしかしてそれを狙っているのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。ごめん。読み返せば読み返すほど、ラストがどうなってしまったのか、解釈がわかれるのだ。困った。ハッピーエンドじゃないじゃないか。
読み終わったあとそこに漂うあまりに物悲しい雰囲気だけが目の前を覆う。ふしぎな話。 - 「IT'S OK!!」ワルダクミ☆メガネーズ
同性が好きな10代のためのお助けサイト「10スタート(テンスタート)」を応援する同人誌。っていう認識でいいのかな。あとがきには「中高生のゲイの人たちが楽しめる本を作りたい。『自分』が主人公のマンガを手にとってみてほしい。また、ゲイじゃない方にも手にとりやすいカタチの本にしてゲイユースがどんな気持ちで思春期を過ごしているのか、想像するきっかけにしてもらえたら」とある。
一編だけ晋太郎さん(SUMMER CAMPのひと)の小説があるが、あとは全部マンガ。取っつきやすく、ちゃんと心にひっかかって、考えてみてね、という提起もある(はず)。
こういう、アイデンティティにかかわることって誰にも話せないと思うんですよ。おそらく。一時、あんまり人に言われて、本当にそうなんだろうかって悩んだ自分もそうでした。結局、些細なきっかけで「こりゃしかたないわ」って思うことがあって、開き直ったんですけど、すべての人がそうなるわけじゃない。まして十代なんて差別と排除しかないような年代なら。
そういう彼らにおいて、この本は突破口となるようなきっかけになるんだろうか、って思いました。なるといいな、って思いました。
うーん。うまく書けないや。拒絶することなく、されることなく、別に「みんな仲良く」なんて思っちゃいないけれど、「まぁ、いいんじゃない?」みたいな感じなら、いろいろがうまくまわったりするんじゃないかなぁ。
と二日がかりで考えたのだった。全然まとまらなくて申し訳ない。
連休なのに全然読めてない。でも、ノルマ的に読むと楽しくないので楽しく読むほうを優先している。添嶋さんは本読みが小さい頃から大好きなのです。本がお友達だったのです。なんちて。ではまた次回。