※この記事はCRUNCH MAGAZINEに投稿した記事と同じものです。
2017.8.12追記:最初に書いてから年単位で時間が経っていますので、最新版に合わせて多少記事を書き換えました。
はじめに
各種イベントに参加してみたいけど、ちょっとなぁっていう人はいると思います。そんなにたくさん書けるわけじゃないし。例えば、Twitterに書いたついのべとか、詩とか、そんなのくらいしかないし、とかそんなの。
そこで! コンビニのネットプリントを利用して折本を配布できます。文フリとかコミケ、コミティアの時期じゃなくても作品を発表できるんです。自分のサイトを作る必要もないので、気軽にできるんじゃないかなぁって思って。
折本てなんじゃらほい、って思うかもしれません。
A4くらいの紙を折って、用紙の真ん中くらいに切り込みを入れて形を整えればできるものです。もしかしたら小さい頃に作ったことがあるかもしれませんね。あれを応用して、本を作りましょう。
まず文章や画像を用意しましょう
なんでもいいです。詩でも、小説でも、童話でも俳句でも短歌でもなんでも。
写真でも画像でもあればあったでいいですけど、なくたってなんとかなります。
ぶっちゃけていえば、表紙と裏表紙に当たる部分はタイトルと奥付に当てればいいので、8ページ仕様の折本なら6ページ分なにかを用意すればいいんです。ついのべとか、短歌、俳句なら6つ。もしくは写真3枚と文字作品3つとか。写真3枚とキャプションだったら、写真集ぽくなりますね。
このソフトを利用します。
ottee
折本に特化したソフトです。これを利用します。*1
サイズ、ページ数、フォント、フォントサイズ、色は好きなように設定できます。
右開き、左開きも自由です。縦書きも利用できます。
「新規オブジェクト」をクリックすると、テキストボックスのようなものが出てくるので、これに文章、絵、写真を配置します。
文字の場合は、文字ボタンをクリック、表示されているテキストエリアに文字を入力します。オブジェクトのサイズを幅240、高さ340にし、Osakaフォント10pt、行間、余白ともに4ptの場合、420文字、ヒラギノ明朝に変更すると450文字入力ができました(実測値)。
以前はできなかったのですが、文章がはみ出してしまう場合、次のオブジェクトに送り込むことができるようになりました。
オブジェクトを二つ以上用意し、最初のオブジェクトで右クリックすると「テキスト連結する」というのがメニューの中にあると思います。それを選択後、連結したいオブジェクトを選んでいくとひとつながりのオブジェクトとして扱われ、長い文章もあふれ出さずに流し込めるようになります。
図版の場合は背景ボタンをクリック、画像選択から入れたい画像を選択して、その後大きさを調整します。この上に文字を乗せることもできるので、写真詩集みたいな作りにしたいときも重宝しますね。
オブジェクトはいくつも利用することができるので、写真をいくつも配置したり、文章を二段組にしたりすることもできます。背景の設定で、「なし」のチェックボックスを入れておけば、画像のオブジェクトの上に文字のオブジェクトを配置することもできるのがいいですね。
保存はフロッピーディスクのアイコン(Mac版なら左から4つ目のアイコン)をクリックしてできます。そのまま終了すると、保存されないので注意してください。wordや大半のアプリケーションみたいに終了時には保存しますか、って聞いてこないです。
詳しくは該当ソフトのマニュアルを見てください。
出力します。
試し印刷をするのならば、そのまま印刷をしてみましょう。A4縁なしの用紙設定ができるものなら思ったとおりのレイアウトで印刷できると思います。
PDFで出力する場合は画面上部のPDFと書かれたアイコンをクリック。印刷用の単一ページ、閲覧用の個別ページ(1ページ単位か、見開き単位か)の出力ができます。
閲覧用のページで出力すると、宣伝の際の見本にも使用できていいんじゃないかな。
(ここから旧版に関しての説明です。今は問題なくフォントの埋め込みもできるようです)
WindowsでPDFでの保存をする場合は
無料PDF作成・変換フリーソフト CubePDF - CubeSoft
などを利用するとよいのでは。
Macの場合、このままではフォントの埋め込みがうまくいってないようで、そのまま配布してしまうと設定したフォントの情報が正しく埋め込まれていません。Otteeでフォント埋め込みをしたいときは印刷をクリック後、印刷のダイアログで「プレビューでPDFを開く」(左下のPDFっていうプルダウンメニューにある)を選びます。そうするとプレビュー.appで作ってるファイルが開きます。でもこれだとファイルサイズ大きくなるかもなので、プレビュー.appのファイルメニューの「書き出す…」を選択。Quartzフィルタってプルダウンメニューから「Reduce File Size」てのを選んで保存します。そうするとフォント埋め込みされて、最適化された状態でファイルサイズが減ります。すると、ネットプリントでも登録できるサイズになります。
(ここまで旧版に関するPDF保存のお話)
ネットプリントに登録
まずはネットプリントのサイトにて、会員登録してください。これはセブンイレブンのコピー機で出力します。
ログイン後、新規ファイルの登録からファイルの選択をクリック、作成したファイルを選びましょう。
用紙サイズ(ほとんどの場合A4)、カラーモードの選択(印刷時に選択にすると親切かも)、その他設定は「原寸出力」で。
予約番号は数字のみも選ぶことができます。これはどっちでもいいかな。暗証番号はないほうが親切です。
設定が終わったら登録です。ファイルサイズが大きすぎたり、フォントが埋め込まれていないファイルでなければ正しく登録できます。
サークルKサンクス、ファミマ、ローソンはネットワークプリントサービスというサイトから利用できるみたいです。
会員登録のとき、名前はサークル名でもペンネームでも大丈夫なんじゃないかな。あと、「店舗にあるマルチコピー機でのログイン方法」は「ユーザー番号のみ または ログイン名とパスワード でログインする。」を選択しておくとよいみたいです。文書登録の際に、ファイルと用紙サイズを指定したらそれでいいみたいです。ただ、もしかしたらフォント埋め込みは完全に対応していないかもしれません(Opentypeフォント埋め込み非対応とあるので)。
宣伝しよう!
ここまできたらあとはみんなに知らせて、読んでもらいましょう。セブンイレブンなら文書番号だけお知らせすればいいです。サークルKサンクス、ファミマ、ローソンはログイン番号と、ファイル名があれば間違いがないかも。
どちらもおおむね、白黒は20円/一枚(か片面)、カラーなら60円/一枚(か片面)かかります。
ネットプリントの管理画面で、どれだけ印刷されたかを確認することもできます。
応用編
いろいろな形で配布していらっしゃるかたがいます。これを参考にしていろいろな体裁の折本を作ってみるのもいいかもしれませんね。
例えばこことか:
ここでは他の方の作成した折本(豆本含む)のリストもあるので、これも参考にしてみるといいかもしれませんね。:
ほかのサイズの本も作れます
セブンイレブンなら、小冊子印刷も対応していたと思うので、A5サイズで原稿を作ってPDFに書き出せばコピー誌として配布することもできます。これなら小説を配布したりもできますね。印刷の際に小冊子印刷を選択すると、こちらで割り付けをしなくても折ってホチキス止めをすれば本になる状態に印刷してくれます。便利。
この場合、ページ数は4の倍数になるように調整してください。(コンビニプリントの場合、4の倍数ページにならなければ、その分後ろに空白ページいれてくれますけど、もったいないですし)
原稿作成ですが、WordではA5サイズで原稿を作成、PDFで保存をします。縦書きの場合、ページの方向が逆になってしまうことが多いので、気をつけてください。
縦書きに限定されますが。テキストを流し込み、PDFに変換してくれるサービスもあるようです。たとえばこことか:
こういったものを利用して、コンビニプリントをすれば、手軽に本は作れますね。
最後に宣伝
ちなみに僕は作った折り本はここで配布もしてます。こちらもよろしく。:言葉の工房・download