空想少年通信

素人物書きのつれづれブログ。

夏が終わる

夏の終わりの海風は汗をかいた肌にまとわりついて、さわるとぺたりと音がしそうなほどだ。
寄り添うと暑いから、ほんのすこしだけ間を空けてコンクリートの堤防に二人で座っている。
試合に負けて引退した坊主頭も少し伸びて初めて見る人みたいにみえる。
さっきから会話がないのは、たぶん互いを意識しているせいかもしれない。
君にここでキスをしたらどんな顔をするだろう。
だけどたぶん君はそういうのは嫌がるだろうから、ときどきふれる互いの指先の感触をそのかわりにするしかないのだ。