空想少年通信

素人物書きのつれづれブログ。

「明日も見ていたいかどうか」で決める

6月の終わりに、今年の一枚と思って、単衣をしたててもらった。リネンとヘンプの交織。ルポワン染めは表面は色がついてて中は無染なのだそうだ。若干の女性ものの雰囲気はあるが、きもののここち透佳さんで勧められて、たまには冒険もするか、ってな具合で決めてきたのだった。

で、できてきたので着た。

藝祭、今年は展示に関してはチケット制で、全然かすりもしなかった。そんなわけでアートマーケットだけ見てきた。初めて行ったけれど、楽しいな。大学の学祭だからそういう雰囲気なんだけど、みんな本気でやってる。

 

 
 
 
 
 
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買ったものはインスタを見てほしい。

衝動買いはいくらでもできるんだけど、キリがないので「買って帰って明日もこれを見ていたいかどうか」という基準で買った。

NFTアートは手元に置いておきたいかという基準ではなくて「転売して儲かるか」が基準のような気がしている。だからそれはアートではなくて投機対象のモノなのでは、と思っている。著作権や真贋は保証されてなくて単に「買ったものは確かにこれで相違ない」という証明だけだ。なので、別に次に売れりゃなんだっていい、みたいなことになる(と理解している)。データの永続性の保証も、もちろん、ない。*1

学生さんの作品はその人が作ったものだし、現物だし、なんなら手元に置いて楽しむものだ。あえて言うなら「有名になったときに学生の頃の作品を持っていると言える」くらいじゃないか。

だから余計に「買って帰って明日もこれを見ていたいかどうか」という基準が大切になってくるのではないか。……と自分は思ったのだよ。

で、そんなことを考えつつ、そんなそぶりも見せず、買ったばかりの単衣着て歩いていたわけだ。

 

 
 
 
 
 
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いいでしょ。一回撮ったから、次はもう撮らないと思うけど。久留米絣の単衣とどちらにするか迷って*2こちらにしたけど、気温的にこれでよかった。鳩羽色のポリの羽織、案外万能で助かる。今くらいの時期用にもう一枚薄羽織がほしいのだけど、次に買うなら黒かモスグリーンしかないんじゃないか。

李禹煥の展示も見てきた。

中谷美紀の解説音声がよかった。*3

もの派、昔はならきっとわかんなかったのだろうけど、わからんのならわからんなりに見たまま受け取ればいいんだろう、と思うようになった。

物質そのものと、物体と物体・作品と自分の関係性と、自分の思考。無理に言語化するとボロが出るからなあ……。

屋外作品の解説を聞いているときに、ちょうどそこにいた幼児が李禹煥の作品の上を歩いていた。なんか、作者の意図通りなのでは……?って思った。

まあ、うまく言えないけれど、もの派、わりと好き。

物販には李禹煥の作品のポスターもあったけど*4、自分は展示作のポストカードのほうが好きだった。いくつか買った。前に森美術館の物販で買ったピンバッジ以来だな。

これだって「買って帰って、明日またこれを見ていたいかどうか」って基準で考えたらポスターよりもポストカードだもんなあ。そうなると美術展の大概のグッズ類は購入対象から外れてしまうけど、無駄なものを手元に置いておくほど余裕ないというのが本音かもしれん。*5

*1:ついでに言うとNFT、と省略して言うのも好きではない。が、アート部分は別になんだってよくて、タグの方が本体だと思えばそんなに間違っていない気がする。タグに付随してなんらかのデータがついてくる。食玩の本体は実はお菓子の方のはずなのに、みたいなもんかもしれん

*2:前の日に関東で泊まったため、長着以外は共通のコーディネートになるように荷物作って出かけたのだ。単衣だからできた芸当ではある

*3:最近の大袈裟な感じの解説……というかトーク……がとても苦手なので使う気にならなかったのだが、スマホで聴けるやつだったし、わりと落ち着いて聴けるものだったので

*4:5000円で作品が手に入る喜びよ

*5:それを考えるとゲルハルト・リヒター のポストカード全種類セットはギリギリ手元に置いておきたいグッズかもしれない。でも図録でほぼ代用できるけど