10/23に「きもののここち透佳」さんのイベントに行ってきた。静岡市のちょっと外れにある鈴木邸*1での開催。
よく考えたら透佳さんのイベントに行ったのって大麻博物館の展示を見て以来初めてじゃないか?
有松絞の反物とか、遠州木綿とか、大井川めんぱ*2とか、わりと丁寧な感じのものがたくさん。しかし財布はやばい、みたいな。ちょっと今は物欲が満足しているので見ただけになってしまったけど、遠州木綿はやっぱ一枚はほしいな……。
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着いたらちょうど大井川めんぱ大井屋さんのお話が始まったところだったらしく、促されて中に。お話を聞いてきました。
大井屋さんは曲げた木を留めるのに、桜(山桜の少し育った年数のもの)の皮を使っていたり、柿渋は5〜6回?くらい塗ってたり、なんせ丁寧なんだそうで、それは始めに作られた時の作り方がそうだったらしいから、とのこと。
似たようなものを作っている他所では使っている素材が違ったり、塗料だったり、固定に接着剤を使っていたりするけれどそれに疑問を持って、過去に遡っていったらしい。back to basics。違うか(笑)
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実用的な工芸品と工業製品の違いということでもあるだろうし、最近過剰に流行ってるコスパに対応しようとした結果かそもそもの手法にこだわったかの違いなのかもしれないし、それはその人たちの考え方の違いであるけれど、オリジナル(原義での)モデルにはオリジナル(原義の)たる意味がある、それは変容したものには変容しなければならなかった理由があるのと同じことで、より良いものを作ろうという姿勢は大事よね、ということなのは間違いはないのだろうと思う。
ちなみに今注文すると1年とかもうちょっと待つらしいのだけど*3、それは短時間ではできないことの証左でありますね。
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そういえば、地元では山中塗と輪島塗と有名なのがある。実用品と工芸品みたいなざっくりとしたくくりがあるし*4、どっちが良いとかそういうのないもんな。そういうふうに、どちらのほうを向いていったか、みたいな話になってしまうのではないかと思いました。
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話を聞いたあと、ひととおり展示されているものを見てひとつっくらいはほしいもんだなあ、などと思い、退座したのでした。ブックマルシェの直後だったので長居はできなかった*5けど、まあ、またお店に伺うことにしましょう。
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で、この日のいでたち、
- Sumihikoさんの足袋
- 山椒庵さんのコーデュロイ羽織
でした。写真は省略。まあ全体的に秋の装い。自分が好きなのって何かなと考えたらシャツインに戻ってきた感じ。あと、エスカレーターは草履の敵だなー。もうちょっと歩き方を考えないと、すぐダメにしてしまう。