空想少年通信

素人物書きのつれづれブログ。

藝祭を見てきた

去年も暑かったが、今年も暑かった。暑くて熱い三日間。

今年は土日で行ってきた。結論からいうと時間が全く足りなくてぜんぶ見るどころではなかった。

彫刻と、絵画棟、あとはどうしても見たかったものだけ。DOTAMAのステージと、藝大サンバパーティはちょっとだけ見た。

人がとてもとても多かった。ブルーピリオドの映画やアニメの影響かもしれない。

アートマーケットは出店も増えて、アートだけのデザフェスみたいだった。

藝大カードゲームというのがあり、デッキは売り切れてて買えなかったけど、ブースターパックを一つだけ買った。キラカードと浪人カードが一枚ずつ。太い実家とか恋人とか笑っちゃうんだけど、最初に目に入ったのは「家族会議」のカード。ちょうど芸術新潮舟越桂の特集を見た後だったので「家族会議か……」となった*1

まるで「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」を拡張したような展示があって*2、ランダムなタイミングでサンバ・デ・ジャネイロがかかり、センターにいた人が控えめに踊った。大きなセットの前にはモニターがあって、3にまつわる計算を延々と流している。びっくりしたのだが、あれが今年のインパクト賞だと思う。

今年はぶっ飛んだようなインスタレーションは見た範囲では少なくて、ちゃんと油画が油画だった。今年の受験が正しく油彩画だったからだろうか。

先端芸術の1年生の展示は1年生の衝動がガツンと出たものだった*3。不穏で穏やかでノイジー。暗さを操っていた。

小さいサイズの鮮明に描かれた作品と、それを拡大した、ブロックノイズの乗った作品。キャプションには「圧縮された記憶をまだ記憶していますか」。忘れないけど思い出せないことが増えていく。

ギターを弾く男子の肖像画

作者のSNSにはモデルとなった男子がサプライズで朝一番に見に来てくれたとある。これは圧縮できない思い出になる。

あをによし、という展示。中高の同級生が時を経て再び同じ学校に集ったので展示をしたという。選んだ道が違ってもまた接点ができるという素晴らしさ。

人が多すぎて、写真を撮る気にならなかったのと、レンズの選択誤ってどうにも歪んだのしか撮れなかった。なので記録写真としては少なめ。掲載できた分のインスタのリンク貼っておきます(すみません)



子の展示は連作レリーフとショートサイズの映像。繰り返しの妙。見に来ていただいた皆様、ありがとうございます。

*1:舟越桂が受験のときに、父であり藝大の先生でもある舟越保武が受験担当だった。つまり不正があっちゃならん状態だったわけ。なので、舟越家は最初で最後の家族会議をして、舟越桂は藝大受験を断念、東京造形に入ったのだった。その後藝大の院に入った。

*2:「3月3日」という展示名だったと思う

*3:「タイム・リミット」という展示名だった