空想少年通信

「空想少年はテキストデータの夢を見るか?」の人のつれづれブログ。日記ともはてなダイアリーのヤツともつかないものを。

文芸コンピ「input selector」各作品の紹介その2です。

さて、作品紹介その2。今回は短編小説の紹介。書いているうちにラブレターのようになってしまいました(笑)。

  • 短編小説
    伊藤佑弥さん「一人で食べない」、伊藤なむあひさん「いいえ、世界です」、城島はむさん「今度の終末は一人です」、霜月みつかさん「白雪とともに、彼は」、なかばさん「summer slope」。
    • 伊藤佑弥さん。僕は「なめたらわかる」の頃からの大ファンです。言葉遣いが堅苦しくなく、するすると読み進められて、気がつくとその世界の中に入っていたりします。
      彼とは実は今回の件に関してTwitterで少しだけやりとりがありました。僕がこんなふうに言ったんです。

      これに「わかりました。これで書きます」とおっしゃってくださいました。「好みに合わなかったら言ってください」とも。期せずして僕が勝負を挑んだような形になりましたが、この一文から始まる伊藤佑弥ワールドに僕は参りましたと言わざるをえません。
    • 伊藤なむあひさん。絶対移動中と言うサークルさんで発表された「白雪姫前夜」の作者さんです。「小柄な小学生なら一人くらいは入りそうな大きさのトランク」というフレーズをTwitterでもみかけたことがあるかも知れません。この話を読んだときにぱっかーんと打たれたような気分になりました。
      さて。このお話は世界から「゜」(半濁点)が消されてしまいます。「わたし」がそれを探しに出かけます。ちょっとそこまで、という感じにも見えますが、どうもただではすまなさそうです。少しずつ加速する不穏な感じを味わってほしいです。
    • 城島はむさん。僕が一番最初に文フリに参加したときに彼の作品を見本紙コーナーで見つけて、雷に打たれたような気分になりました。それでダッシュで買いに行ったのでした。この人の話を読みたい!と。これをきっかけに文フリにサークル参加しようと決めたのだったりもします。
      で、今回、直接文フリで勇気を出して「書いてください」とお願いしました。
      このお話は有り体にいうと世界が滅亡します。朝起きたらひとりぼっちです。そういうの想像したことありませんか? だけどこれもなにか不穏な感じです。誰もいないのに、あちらこちらになんかのパーツが散らばっているなんて! 自分だけ、取り残されるなんて!
    • なかばさん。文フリでもいくつか作品を発表されています。「ナツのラブレター」という架空のラブレターを書こう、というお話があるのですが、それが僕は好きです。思春期男子の微妙な恋ともつかない気持ちにふれるだけで、自分にはなかった感情がわいてきます。
      今回は400mリレーを走る、陸上部男子の夏です。憧れとか、実力とか、ライバルとか、青春とか。そういうのを全部ひっくるめて駆け抜けます。それは自分にはないものでも、身近に感じられることでしょう。そして真夏の陸上競技場が見えてくるはずです。
    • 霜月みつかさん。とても静かな、でも大きく感情がうねるような文章が印象的です。魚喃キリコとか近いのかな。僕が拝読したことのある作品は、本当は近づきたいのにできないでいる感じが出ているものが多いような気がします。そしてそれを上手く表現しているところが好きです。
      今回は、学生生活終盤から卒業にかけてが舞台。意識的にか無意識にか遠ざけていた人間関係とか、あとから気づく「ああ、これ、好きなんだ」みたいな気持ちとか。いただいた原稿を拝読して自分の大学生の頃をちょっとだけ思い出しました。それと同時に「もう思い出さなくていいな」と思ったときのことを思い出しました(ややこしい)。それくらい危うくて、何如ともしがたかった気持ちを感じてほしいです。

さて、添嶋はCRUNCH MAGAZINEさんで公開している「ワールドエンド・ショッピングモール」とそれに続く話の2話構成になっています。なぜか。なぜでしょうねえ(バカかお前は)。現在進行形で存在する廃墟のようなショッピングモールに勤務する警備員に起こる、不思議な出来事を書きました。ちょっとだけ話題になった某所がモチーフです。まああれだ、添嶋さんこういうの好きだよね、という話ですよ。

さて、いかがでしょうか。ちゃんと伝わってるかな。お前の説明わかんねえよ、って言われるかな。そういう話書いてない、とか言われないかな(これが心配)。

そんなこんなで文芸コンピレーション「input selector」5/5東京流通センターで開催される文学フリマにて頒布開始です。とにかく手に取っていただきたい!