空想少年通信

素人物書きのつれづれブログ。

(無題)

電車から降りる寸前に君がずっと側にいたことに気がついて、
でも君は僕のことには気がついていなかったから
僕は目を合わせないように背中を向けて立っていた

電車から降りるときに君になにか言わなきゃいけないような気がして
人にぶつかるのも気にせずにひたすら追いかけた
君があんなに歩くのが速いなんて思いもしなかった
 
君に声をかけようとして手を伸ばしてあと何センチ、というところで
やっぱりやめようと思った なぜやめようと思ったのか自分でもわからなかった
君の姿を見失って僕はその場に突っ立ったままで
でもそれでよかったのだと思うことにした
 
そうじゃなきゃあまりにも自分がバカみたいでイヤだった