空想少年通信

素人物書きのつれづれブログ。

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リアリティはないけど

下足箱の中に手紙があって、えらく古風だなと思った。ほんの一瞬だけうれしくなったがよく考えてみたらそんないいものなんか入っているわけなどなかった。意を決して開けてみた。「いつも僕が君のそばにいるよ」これは君の字だ。たとえ嘘だとしてもそれでも…

ちょっとリアルだな、と思ったけど紐を梁にくくりつける夢を見ている。いい加減目を覚まさないとなぁと思ったけど体が重い。首を通して台を蹴った瞬間、目覚まし。今日もダメだった。

君に好きな人がいたなんて聞いてない。そう思ったけど、別にそれは普通のこと。全部話せばいいってもんでもない。わかっていても理解できない。君なんか大嫌い。……になれたらいいのに。そう思う自分が一番嫌い。

暑くて机に溶けたように突っ伏していた。「これ」とペットボトルを手渡して顔を赤くしている後輩。BL体質も大概にしなさいよね、と彼女が頭をはたこうとして気がついた。「熱あるじゃん!」

僕にキスをしようとするヤツ(体育会系男子)がいる。あんまりしょっちゅうだったので「ムリ、ありえない」と言ったら三日ほど教室の隅でうずくまってた。男ゴコロはよくわからんとため息をついたら「お前には言われたくない」と返された。なんだそれ。

密かに密かに好きだったあいつの横でうっかり「好き」って言ったらおでこをこづかれた。それだけでいいと思った。

死ぬつもりで屋上に来て建物の縁にいる。やめて、と止めに誰かが来るなんてあれはお伽話で下手すりゃ誰も気づかないはず。突然思い出して涙するような人がいてくれたらよかったと初めて思った。馬鹿な自分。死ねばいいのに。じゃ死ぬか。

僕の好きな君の後ろを歩くのが好きで、今日の君は誰かと一緒に。邪魔はしない。迷惑はかけない。あくまでもそっと見ているだけ。だけど僕のことをキモい、と笑うのを聞いて僕は動けなくなった。そもそも僕は存在しちゃいけないのか。

いちおう声をかけておくね、と前置きして飲み会に誘われた。空気を読まずに参加して皆が困るのはわかっているので、空気を読んでお断りした。

今日も僕は炎天下に待ちぼうけを食らわされるのか。倒れないように準備はしてきたけれどいい加減この化かし合いのようなことにも飽きてきた。そこに隠れているのはわかっているんだ。腹も減ったし飯食おうって誘ってみるか。断られるだろうけど。

だっていらないんでしよう?と言って膝まで折り曲げた制服ごと切り落とす何者か、が町に現れた。そいつ、から逃げられたヤツはいないそうだ。昨日も野球部が根こそぎやられたらしい。今だって君の後ろにいるよ。ほら。

待ちあわせにあんまり遅れてるから心配になって電話したらあっさりキャンセル。ちょっと頭にきてずっと行きたかったところをぐるぐる。でも無駄遣いはできなかった。ショウシンモノって思うけどしようがない。君の好きなものを買って次までとっておこう。一…

宿題をやるからと言って友達の家に来て本気でやる訳もなく、覚えたばかりのことをしたくて二人でずっとじゃれている。学校じゃ絶対に接点がないはずなのにどこをどうやって仲良くなれたのだか不思議で仕方ない。役割だっていつもと正反対だ。

夏を乗り切ったらコンサートを見に行くんだ、とバテきった体でいうので、日がな一日エアコンにあたっているくせに何言っているんだかと思ったら本気でバテて寝込んだらしい。ねえ、それもフラグが立ったっていうの?

仕事を終わらせてダッシュで飲み会の会場へ行ったら周りはすでにテンションさがってて一人でシューゾーみたいになるところだった。少なくとも頑張ってまで来る必要はなかった。 思いだすのも馬鹿馬鹿しいが声をかけられた時点で皆があまり乗り気でないことに…

アニメかゲームかエロ話だけしてても許されるヤツはいいな、と思う。小難しい話をしたいと思うけれどそれこそガキのやるようなことのような気がして萎える。適当に話をあわせながら、いつ死のうかとそればかり考える。夏休みが終わるまであと23日。

クラスの連中とはどうにも相いれなくて、でも片方を取って「何を聴いてるの?」とやってほしくてヘッドフォンをつっこんだまま今日も机に突っ伏している。連中はこんな僕のことをキモいと思っているらしい。なんだろう、こののどに引っかかるような感覚は。

談笑している場に行くと(まさに)水をうったように静かになる。客観的に見ればたいそう面白いのだが、自分のことになると反応に困る。

ファインダー

人と目を合わせるのが苦手で、でもファインダー越しでなら大丈夫な気がして、だからいつも写真ばかり撮っている。

記憶

クラスの集合写真にはいつも僕は写ってないけど、僕が写真を撮るから誰も覚えてなくても何があったかたいていのことは覚えている。

思い出のしまいかた

来てよかったね、とお土産を選びながら君はほんの少し、微笑んだ。君のその顔を見るたびになんだか申し訳ない気分でいっぱいになる。本当は僕じゃなくて誰かと一緒にいるべきなんじゃないかって。一緒に撮った写真もプリントしないほうがいいのかな、とか。

おみとおし

お前さ、今日……といいかけて、あ、という声が電話口から聞こえてきた。気まずい沈黙。お前バカだなーという声が聞こえた(ような気がした)。集まりがあることも誘われてないことも知ってるから別に。「用があったから」というと安心したように電話は切れた。

自由研究

君の好きなところと嫌いなところを思いつくだけ並べて、どうして君のことが気になるのかを書きだしてみた。写真も貼り付けて、下手な絵も描いて、それを全部まとめて綴りひもで綴じてみた。夏休みの宿題には出せないけれど、君のことをあきらめる口実になれ…

ヘビーローテーション

なにこれAKB? とヘッドフォンを奪って聴いてみたけれどいまいちわからない。会話も続かなくてうるせぇな、という顔をされたのでおとなしく返して寝たふりを始めてみた。小さく舌打ちが聞こえた。一緒に帰るのいやなのかな。

(無題)

僕たちは続いていくのかな テーブルはさんでハンバーガーほおばって 会話するでもなく顔を見合わせて 軽く笑ってそれで落ち着く あの人とはどうなの うん まぁ 普通 そんならいいのだけど なにも知らないのが一番 なにも言わないのが一番

(無題)

じゃあね、っていつもそっけなく言うんだね だらだら別れを惜しむような仲でもないけど あと5分だけと言ったら ごめんねと返された ずるいなあと思うけど きっと仕方ない いつになったらわかってくれるのかな

(無題)

今日も僕は炎天下に待ちぼうけを食らわされるのか。倒れないように準備はしてきたけれどいい加減この化かし合いのようなことにも飽きてきた。そこに隠れているのはわかっているんだ。腹も減ったし飯食おうって誘ってみるか。断られるだろうけど。

(無題)

覚悟していても もう 会えないとわかると その場から動けなくなる ダメだと思っても 次はいつ会える? そう聞いてしまう 諦めの悪い自分

(無題)

好きだなんて一言も言ってないのに僕は君を好きなことになっていた。 周りはうるさかったけどきっちり無視した。 夏休みの直前に君から誘われて映画を見た。 別れ際、好きでいてくれてありがとうと言われた。次の日から君は学校に来なくなった。

野球

父は昔から高校野球を熱心に見ていた。 僕は父を喜ばせたくて野球を始めた。小学生の頃だ。 運動音痴だったがいつか打席に立つために練習に通った。 ある日母があなたが野球を始めたから父さんは野球で賭けをするのはやめたのよと言った。 僕はどう返事して…