偶然、本当に偶然、国宝展のチケットが取れたので、全く予定になかったのだけれど弾丸ツアーで上京。上野の辺りでぶらぶら。
昼過ぎについたのでどこに行こうとかあるにはあったけれど、チケットの時間は決まっているのであまりどこにも行くこともなく、東京藝大美術館と150年後の国宝展だけいっしょに見てきた。藝大のほうは現役の大学院生さんの作品展。
先端芸術のほうはわりに好きな感じ。自分との相談で評価が決まるんだろうか、ちょっとわからないものもあったんだけど(失礼)、それは自分の中の評価軸というか、判断材料がないせいだと思った。
日常の部屋を撮影した写真に必ず自分が写り込んでいるやつがあったんだけど、ユーモラスに思えたものがだんだん恐怖感が出てくるのは面白かった。あとは、耳が聞こえない世界を表現しているのとか、文章を分解して再構成して転写して絵画のように見せているものとか。
グラウンドにぽつんと立っている、発掘された人みたいな彫刻は、地面には落葉が敷きつめられていて、後ろでは落葉が舞っていて(偶然の産物)、たぶん作者が想定したものよりもずっとノスタルジックに見えた。
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150年後の国宝展は……
公募展だったこともあるんだけど、ものよりも思い入れのほうが強くて、でも企業展示よりも個人の応募のほうがわかる気がした。わかる気はするけれど、褒め言葉としての「国宝」であって、本当に国宝かどうかは問うてないのだな。軽々しく言われる「国宝級のイケメン」とか、そんなら標本にして博物館に飾っとけよ、と思うもん*1。
ガンダムとかプリキュアとかゴジラは文化的な要素はあるけど、どっちかっていうと歴史民族博物館の範疇だと思うの*2。
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で、国宝展。
書簡とか絵巻とかもちろん工芸品も、こういうのが残っているのすごいなって思って、書簡なんて特にこんな後の時代になって公開されているとか思わないだろうし、個人の思い入れとかそういうものをぜんぶそぎ落としてそれでも価値があるかどうかなんだなと、さっきの「150年後の」を見た後だからかもしれないが、思った。だから吉本の漫才は国宝になりえないんですよ。
重要文化財もあって、織物とか内親王のお衣装とか、織りじゃなくて縫い込み(刺繍)だったりとか国立工芸館に置いてありそうっていうのもあったけど、ものそのものの意味合いとか、積み重なった時間の長短とか造形の美しさとか、「150年後の」を比較対象としてどうしても出してしまうんだけど、だったらさっき見た藝大の学生さんのほうが、ってなるのは良くない考えなんだろうか。
あと、圧倒的刀剣乱舞コラボ……友だちに解説しているのが聞こえてきて、それを耳に入れているのは面白かったんだけど、グッズがなんかもうそればっかだったんでちょっとそれは自分にはがっかりポイントだったな……。や、興味持って見に来るのは良いことなんですけど。
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そんなわけで、上野公園で撮った写真を最後に置いておきますね。