8/8にあいちトリエンナーレ、8/10-11で東京のいくつかの展覧会・展示を見てきた。画像とリンクは僕のインスタのアカウントから。
あいちトリエンナーレ
@愛知芸術芸術文化センターほか。「表現の不自由展、その後」が中止になったあとに行った形に。結果としてなんだけど、それがあったからって(なかったからって)特に何か変わるわけではないかなあ、と思った。
だいぶ一方向に寄ってるとは自分も思ったけど、ツイッターとかウェブのあれこれを眺めていると、個人攻撃と展示に関する議論と中傷が一緒くたになってるようなので、あーあ、と思ってしまうのだった。
深読みはいくらでもできるんだけど、という前提で、それでも行間とか全体の意図を考えろよ、と思ってしまった。
8階の展示はものすごく重かった。アートか、って言われると正直なところ「うーん……」てなるんだけど。
袁廣鳴の映像は見てほしいかなあ。恐怖心とはまた違う、怖さみたいなのがひたすら煽られる。(森美術館にもこの人の映像が流れてた)
10階はもう少し穏やか(比較の問題)。「たぶんみんなが思う美術展」はこっち。
サカナクション「暗闇」。初サカナクションがこれってどうなんだろうと思うけど(笑)、音と嗅覚とほんの少しの映像のインスタレーション。カッコ良かったです。本当に暗闇だとものすごく不安になるけど、時期的なもんですかね……
円頓寺周辺の展示は良かった。芸術劇場よりも気楽に見られるんじゃないかなあ。特に葛宇路の展示なんか意図を知ると痛快すぎて。
あとはユザーンの修行(という名の演奏)、崎山蒼志くんのフリーライブ。崎山くんはいいぞ。
で、どうしたらトリエンナーレ(と、会場の商店街)が盛り上がるかなと思って、というボランティアスタッフさんのいるインフォメーションスポットがもしかしたら唯一の救いかも。
塩田千春展
@森美術館。知らないで行ったのだけど、僕の知ってる現代美術ってこんなのだよなあ、と。糸(ロープ)が誰かから発せられる生命のなにか、に見えた。マイナスかプラスかでいうとプラス方向の意図。
大病をしてるそうなのでよけいにそう思うのかもしれないけど、最近の草間彌生の無垢な生きる喜び、みたいな感じとは違う、生きていくことそのものを考えてるんだろう。
これは見てほしい、って言うよな。自分もそう言いたい。わかんなくても圧倒されてきてほしい。
GINZA SIXの空間展示も。
これも塩田千春の作品なんだそうです。何かと何かをつなぐもの。
全然関係ないけど、同じチケットで入れるピクサー展もちょっとだけ見た。びっくりするくらい毒もなにもなくて、子供に見せるってこう言うことなんだなあと思った。
全然頭に入ってこないのはしかたないか。技術的なことを知るのにはいい機会だと思う。
ボルタンスキー展
@国立新美術館。ひたすら重かった。こっちも生きるということが根底にあると思うんだけど、どっちかっていうとマイナスの方向というか、生きてる人が終焉に向かっていたり、すでにいない、誰ともわからない人を意図的に弔ってる感じ。
日航ジャンボ機墜落事故の、犠牲者の名前がテレビとかラジオから延々流れてくるのを聞いている時のなんとも言えない感じに似てる。わかんないか。
国立新美術館と、青山のヴィトンのところでやってるのをセットで見てほしい。場所が違うだけで、展示の仕方が違うだけでこんなに印象がかわるのか、って思った。青山のほうが穏やかな気持ちで見られる。
子どもは塩田千春よりもボルタンスキーのほうが好きだと言ってたけど、なんとなくわかる気はする。
高校生の書道、絵画展も見た。若くて希望に溢れてた。海外の学生さんのもあってその国がそこに表れてた。具象画がほとんどなのはまあ、そういうことよね、と。
ROOF TOP ORCHESTRA ー音を奏でる庭園
GINZA SIXの屋上庭園で。画像載せときますけど、これは是非現物を見て、体験してきてほしい。サカナクションの山口一郎が主宰のNFプロデュース。
綺麗だし、ずっと見ていられる。自分があれこれやって、それを見た誰かが綺麗という、ほのかな繋がりがいいのかも。子ども連れててもいいかも。
ジュリアン・オピー展
@東京オペラシティアートギャラリー。blurのアルバムジャケットのイラストで知ってたんだけど、シンプルな線と色の組み合わせ。ミニマルってこういうこと言うのかな。あと、ポップ。
絵画じゃなくてイラストレーション、あとは映像というかLEDのインスタレーション。
前二つに比べたら全然難しく考えなくても楽しめる。深読みはいくらでもできるんだけど。まあそれは何でも一緒。
同じチケットで見られる収蔵品展「池田良二の仕事」。エッチングメイン。抽象版画、嫌いじゃない。新潮45の表紙もこの人なんだとか(雑誌なくなっちゃったけど)。表現の不自由展はなしで、この人の昭和天皇の版画とヒトラーの版画はありなんだなーとぼんやり思った。深い意味はない。
もう一つ、末松由華利展。若い人。一つ一つではなく、群としてみて初めて意味をなすもの。好きかもしれない。あと、タイトルが良いと思いました。
みんなのミュシャ展
@Bunkamura。前にどこかでミュシャ単体の展示を見てるせいか、もう疲れちゃったのか、あんまり響いてこなかった。ミュシャ絵(本人のじゃなくて、それっぽく描いた誰かの)って様式美なんだなあ、と改めて思った次第。
実は円環モチーフとかのじゃないものの方が好き。
みんなのミュシャ展。前に見た別のミュシャ展のほうがよかったかなあ
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情報量多すぎて頭パンクしそうなんだけど、いろいろ意図を考えつつ、裏なんか読まずにでも深読みはしつつ、という見方。
すげー、カッコいいー、かわいいー、という反応だけでもいいんじゃないか、みたいな気持ち。
いろいろあったけど、その時に思った反応が自分にとって正しいのだと思って見るしかないよね。またなんか見に行きたい。
トリエンナーレはまだ全部見終わってないしね。