前回、東京都現代美術館で見たときは、ちょうど美術館女子ネタが若干燃えてた頃で、いわゆる「映えスポット」としてしか認識していなさそうな人で溢れかえっていた*1。オラファー・エリアソン自体にはなんの罪もないのだが、それを主導した読売新聞や美術館連絡協議会事務局*2*3が馬鹿だったとしか思えないのだけど。
キャプションや解説があればより理解が深まるのはもちろんなんだが、わかんなきゃ別に見たまま受け取ればいいし、最近は写真共有して広めて行く手法が定着しているけれど見たいのは手前にいる誰かの顔とかでなくて作品なんだよなあ。記念写真用の書き割りとかスポットとして設定されたものがギリギリかも。
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で、今回のオラファー・エリアソン展。麻布台ヒルズギャラリーで開催されていて、開館記念の展示。実は最初はそんなに興味が向かなかった。重ねて言うが、オラファー・エリアソンにはなんの罪もない。
結論から言うと、時間指定チケットのおかげか、たまたまそうだったのか、思った方が人も多くなく、ゆっくり見られた。なんというか、現代美術というよりかは研究成果の発表みたいなところがありそう、と思った。色と光と動き、まさにそれである。
時間をかけて、作品が描く「なにか」を見て行くのが自分としては正しい見方なのかなと思った。太陽光と鏡で作られた跡、光の反射。振り子とペンが描く軌跡、放たれる水の軌跡はストロボライトで切り取られる。
流れでざっと見るという展示もあるけど*4、これは一つ一つ立ち止まって時間をかけて経過を見たい。というか見てた。装置の操作は係員さんが行うので、ではこれは誰の手によるものか、って疑問は出てくるんだけど、でも全部が全部一人だけで作ってる人ばかりじゃないもんな、なんかしら手を借りる場面はあるわけで、と思ったりもした。*5
とは言え、こんなのがただの背景扱いされるなんてほんと作者を馬鹿にしてるよな。
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そんなわけで、前回とは比べ物にならないくらい堪能してきたのだった。
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おまけ。
館内のカフェでコラボメニューってのがあって、それをお昼にいただいてきた。とても良かった。