9月の終わり、ここのところお世話になっている透佳さんにお邪魔する。木草履の職人さんが京都からいらっしゃるというので見せてもらいに行ったのだった。
先に見ていらっしゃる方たちは非常に熱心で、横から見ているだけでも楽しい*1。
結論から言うと、見るだけでは収まらず、一足誂えたのだけど。
形はこんなの。上面はいろいろな素材があって、革でも何種類か*2。パイソンレザー*3もあった気がする。それは店主の私物だっけか。色もいろいろ。種類によっては滑る感じもあって、これは本当に好みだよなあ。
鼻緒もいろいろ。素材が豊富。布、革、たくさんありすぎて目移りしかしない。画像の10倍くらい種類があった。本当は最初、画像の鼻緒で作りたいと思ってたんだけど。
高さは二種類。高いほうが傾斜があって、歩きやすいけど立ってるだけの時は多少ふわふわする。上面と台の間は低反発の素材が入っていて、足の負担がすくない。
ぶっちゃけて言うと値段ははる。プレイステーションが買えるくらい。修理効くし、長く使えるし、という点では安いのかもしれない。でもまあ、高い。
で、買いました。高さは高いほうで、深緑の上面、ツートーンの鼻緒(革)。できるまでひと月くらい。これを書いてる段階ではまだ来てない。着物は茶でも紺でも合うかなーと思って。なんなら普段から履いても大丈夫、という話なので、惜しげもなく使うことにしたい。
【追記】
と、書いてるそばから手許に届いた。家人がもらってきてくれた。はああ、なんて愛おしい。
深緑の上面に焦げ茶の台って素敵じゃないですか。裏は摩耗しにくいゴム、鼻緒を挿げてある穴の部分は丈夫なテープで塞いである。履くと姿勢が良くなる気がするよ。まあ自分が姿勢良くシュッとして「いいじゃん」て思ってると、誰かから「カッコつけてる」とか言われるけど(知らんがな)。【追記終わり】
一緒に見に行った家人も買った。ほぼ黒で鼻緒の先が赤い。家人のはそのまま持って帰れるものがあったので、その場でいただいてきた。
次の日、それを履いて演奏会に行ったら、同じタイミングで買った方に声をかけられたそうだ。なんて偶然。家人はどこで買ったかしか覚えておらず、そう言ったそうだが、透佳さんにはどこでどういうことがあったかまでしっかり伝わっていたらしい。そんなこともあるんですね、という話になった。おもしろいなあ。
足袋。ついでだったからこれも。家人とお揃い。なんかいいね。
◇
そして10月も半ば。松坂屋で、着物の古着市があると案内があり、行ってきた。家人と。
値段はかわいくはない(笑)。まあそうだ。ちゃんとしたのはちゃんとした値段なのだよ。3000円のもあったけど、うん、まあ、そうね、って感じ。証紙がついてるのは高い。落ち着いた色合いも。これが男物なら選ぶ余地なさそうだけど。女物は選びたいよね。
で、一回りしてたら正絹の紬を見つけた。縦縞っぽい柄。色も黒ベースの落ち着いた感じ。
「これいいんじゃない?」
家人に声をかけて、試着してみる。似合うじゃん*4。
店員さんがオビを合わせてくれて、いくつかの中から赤ベースのを。角度によって緑が見えるのがいいね。帯締も選んで買った。
(その前に、家人、某ショッピングモールの安い着物屋で帯と長着で380円てのを買ってきていた。無料の着付教室も、と言われたそうだけど、それは断った。ただじゃすまないし、着もしないの買ってもね。)
松坂屋を出た後、再び透佳さんへ。そのまま、着付を習うことにした。
女物は格とかルールがね。がっつりあるでしょ。基本を知っておけば外すのも楽しいと思う。僕は覚える順番が逆だったけど。着るのはそのぶん楽だけど。どうせなら一回ちゃんと習っておけば間違いがなくていいと思ったのだ。あと、何度かでも話したことのある人に習った方が安心できるしね。
◇
実は家人と僕は共通の趣味がない。てんでバラバラだ。演奏会についていく、文フリについてきてもらう。いつもそれくらいの感じ。
そろって着物着て、一緒にどこかに出掛けるくらいのことがあったっていいじゃないか。なんだか楽しいことになってきた気がするよ。